過去に考えていたことについて整理しました。(人材育成って難しいですよね。)
実践しないことは訓練しない。本当に強くなるための練習をしよう
まずこれはトレーニングシステムの根幹の考え方だと思います。
練習にもいい練習、悪い練習がある。クオリティの高い練習、クオリティの低い練習もあります。
成功は人それぞれだが失敗には法則があるように、良くない練習はどんなものかは一定わかるものです。
足の速い人からからすると当たり前かもしれませんが、最近知って驚いたことは、
「100メートル走は大きな瞬発力を要する競技だから、有酸素運動になってしまうほど走り込みをしても意味がない。走り込みだと長距離運動のトレーニングになってしまう。足をすぐに下げて強く地面を蹴ってその反作用の力で足を上げるのがいい(意訳)」ということ。武井壮さんより。
「卓球は回転のスポーツで、こうきたらこう返すパターンが一定きまってるから、その練習がいい」「実践的な練習をする。そんな動きばっかり練習してるけど、実際のところ試合ではそんな動きしないだろというのはしない(意訳)」ということ。卓球金メダリストの水谷隼さんより。
要は、ありえない練習は取り入れないこと。あるある練習を疑ってかかること。
運動系なら、どういうアウトプットが求められるのか、競技特性にあったトレーニングは何か。
マーケティングなどの知的創造系なら、思考力のなかでもなに?戦略性?いまの情報から練り上げる分析?大量の創出の力?人の心を動かす能力?心を読んで、どういう刺激を与えて、どう動かすか。日常的にアイデアの種を仕入れまくる。などなど。
スポーツが運動なら、マーケティングは購買行動。人と生活が対象です。スポーツに密接に関わる理論が筋肉や関節の肉体運動や呼吸なら、マーケティングなら人々のライフスタイルとか認知の仕組みとか欲などがあります。
こういう基礎的知識の土台をしっかり固められているかどうかで、実践の威力って変わりますよね。人はバイアスがあるからこうしようとか、脳は忘れやすいからこうしようとか。原理に逆らうことは、効果が減衰するだけですから。
瞬発力が必要なのに、筋肉を削ぐような走り込みをしていたら矛盾してますよね。うさぎとびも、いったい本番でのどんなシーンを想定してどう適応力が高まるのでしょうか。
マーケティング支援会社であれば、案件の成功とは、クライアントの売上アップや、クライアントが抱えるマーケティングや広報課題を解決できることでしょう。
例えば「フォロワーを増やすためのSNS活用」は近視眼な考え方ですよね。「売上アップのためのSNS活用」が本質的なように、「案件の成功のために成長すること」が目的です。
アウトプットにつながるインプットをしよう。
それが掲題の「アウトプットにつながるインプット」を心がけるということ。
とりあえずGoogleAnalyticsを眺めるとか、とりあえず調査するとか、データをただただ単に眺めても、そこから有益な示唆は出づらいです。異常値としてよっぽどの危険信号とか超絶いい結果とかが出ていない限り。
分析についても同様で、示唆が出ない分析に意味がありません。
「で、それを知ってどうなるの?」
「それ知った前と後とで行動は変わるの?」
こういう観点が抜け落ちると、分析すること自体が目的となってしまって満足してしまいます。これではアウトプットにつながりません。
また、小さな数値の分析も要注意。小さな数値をいくら細かく分析して伸ばそうと工夫しても、小さな数値の改善は小さな成果しか生まれないことが大多数なため、改善に費やすコストとリターンが見合わないこともザラです。
そんな感じで「アウトプットにつながるインプット」を心がけてみると、どんどん成果に繋がっていくかと思います。おすすめです。
自分のスキルに棚卸しにマーケティングスキルマップを活用しよう
なお、これらのマーケティングスキルマップも永遠のベータ版として改良を続けたいと思っています。改善アイデアがあれば、お気軽にご連絡ください。
知識は陳腐化する前提をもち、学び続けよう
・デジタルマーケティングの領域は変化が激しいです。1年前のスキルが通用しなくなることは珍しくありません。
・そのため、普遍的で本質的なことを中心に学びます。
・手段に踊らされず、質実剛健に本質を掴み、実践に落とし込めるようにしましょう
・「スキルは陳腐化する」の前提に立ち、学び続けることが案件の成功のためには不可欠です。
・事業の成功に求められるような能力開発ができるように整備しましょう
ですから私たちに求められるのは、そもそものマーケティングの基礎力、OS的なものであったり、次のようなコンピテンシーではないでしょうか。
・学習習慣
・変化を厭わないこと
・アンラーニングできること
・新しいことが好き
・実行力
・リーダーシップ
・関係構築力
バズワードに惑わされず、基礎固めを徹底しよう
【成長できる人、成長できない人】「基本を徹底する難しさ」を認められる人になろう
基礎的な思考法をマジでマジでものにしよう。
基礎的な思考法は、料理でいうと「さしすせそ」の調味料だったり、工具でいうとペンチやドライバーだったり、ファッションでいうと靴やシャツみたいなもの。
テクニカルな手法論とかハックといいけど、その前にこのへんの大切なことがすっぽり抜け落ちないようにしないとねと思います。
・原因と結果
・相関関係と因果関係
・戦略と戦術
・目的と目標
・KGIとKPI
これらを混同していたり、ふわふわと理解していると、仕事道具として、人生を生き抜く思考法として扱いにくくなります。
よく使う思考道具ほど磨きまくったほうがいろんな問題が解きやすくなったり、的確に根本原因を見つけやすくなります。
こういう観点でインプットや思考トレーニングを積んでいくことをおすすめします。
フレームワークは知的生産の仕事道具だから、よく使うフレームワークから使いこなそう。
料理だったら砂糖、塩、しょうゆ、だし、みりん、酒をよくつかう。じゃあこれをいっぱい買っておいたり、値段は高いけどいいものをつかったほうがコストあたりの満足度は高い。
創味のめんつゆを買ってからは、どんな料理もめちゃ旨になってQOLは爆上がりだ。
それと同じように、マーケティングなら目的設計やWHO/WHAT/HOWのフレームワーク思考法、消費者理解の技法、アイデア発想法とかを徹底してトレーニングしたほうがいい。
組み合わせ最適化問題を解けるようになろう
おしゃれな人は、あるアイテムでも上手に組み合わせたり、着こなしのアレンジでめちゃくちゃカッコよくしてくれる。ユニクロのシャツでも、色合いや素材感、サイズ感、あとはこなれた腕まくりとか手首周りのアクセサリーで途端にかっこよくなれる。
料理上手な人は、冷蔵庫に余った材料で、とても美味しいアイデアレシピを作れる。材料から料理への活かし方を発想し、素材を引き立てたり味覚を最適化する調味料の使い方も抜群で、美味しいものをつくりあげる。
音楽も近い。メロディとコード進行とリズムと音色、歌詞などがある。時代が求める感情だったり気分を表したり、共感・共鳴される音楽が求められる。もちろん、初期衝動的な自己表現もあるし、それも素晴らしいもの。いい音楽は、それらが調和されている。驚きのあるミックスになっている。
それらと同じように、マーケターは商品や会社がもつ強みを機会にぶつけたり、市場にフィットするようにポジショニングとか4P施策を調理する。ある目的に対して、最適な変数を動かしたり、構造を変えていく。
そのためにも、目的達成にインパクトがある変数を知ったり、その変数の動かし方を知ったり、局面にあわせたやり方を知ったりするのが大切ですね。
で、センスの正体は解像度とか言われてますが、要は目的達成の技術とも言いかえられる。
「できる」の認識にズレがないか確かめよう
ふと成果がなかなか出ていない人って、だいたいズレがあるよなぁと思ってまとめた図があります。
縦のズレについて。これは前にnoteでも思考をまとめたことがありますが、要は「本当に強くなるためのトレーニング」ができていないことがあると思います。
「本番の試合でそんな動きしないだろ!」「そんなふうに球技種目でボールはコートに返ってこないでしょ!」っていう練習を一生懸命にしてしまっていることは、意外と多いと思います。
現実世界で高い成果を出そうとするならば、冷徹な自己認識が重要。マーケ戦略を描くときも、残酷に冷徹に自社の構造とか強み弱みを見つめますよね。現実を直視しますよね。
あと自分のことって自分ではよくわからないからこそ、他者から自分はどう映っているのかを知るために、フィードバックをいただいて、取り入れる大切さもこの構造からわかります。
それによって「的確な現実の把握」ができ、目指すところにどうやって一歩一歩近づけるかの精度が高まるのです。
人材に対する考え方-人間観をもとう
・大前提として、自分と他人は違います。
・人によって強み弱みは変わります。個性も変わる。役割も変わる。
・個人の「強み」を伸ばし、活かしていきます。強みを徹底的に伸ばすほうが仕事は楽しいです。弱みの克服も重要ですが、それは成長の足枷になっていたり、チームでも補完できない場合に限ると思います。凸凹で構いません。
・成果は強みからもたらされます。弱みの解消は、その弱みが明らかに致命的な場合のみ。そうでないなら、他の人や仕組みに助けてもらえばいいのですから。
・そのため、人によって特に伸ばすべきスキル、経験を積むべきものは変わる。金太郎飴な研修は行いません。
・自身の強み・弱みを自覚できる能力アセスメント(個人特性サーベイ)を実施していきます。自身はどれができてどれができないのかは、自身では気づきづらいため、能力アセスメントの機会など提供したいと考えています。また、お互いの個別的特性を認め合い、活かしあうチーム作りも目指します。
・受け身な姿勢ではなく、自ら学ぶことを重んじます。
実践あっての学びや研修である前提で進めよう
・実践をしようとすること、実践から得た学びが一番学べる
・実践を助けるためのテクニカルスキルの習得を支えるのが研修の位置付け
・ゆえに、実践機会と学習はワンセット
・実践機会がないなかでのただのインプット、スキルコレクターは目指さないほうがいい
・育成以外にも、「採用」「配置」などの解決の切り札もある前提で、最適な手段を選ぼう
こちらも参考になると思います。
・実行力が強い組織づくりの要諦は、「システム思考」にある(1万1000字)