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こんにちは、マーケターのムロヤ(@rmuroya)です。

AI、機械学習、ディープラーニングの分野で注目を集めるプログラミング言語、Python

Pythonロゴ

私はこのPythonを絶賛勉強中なのですが、当初はマーケの実務で活かせるイメージがあまり湧いていませんでした。しかし「実務で超使えるじゃん」と知った今は、もっと早く習得しておけばよかったと軽く後悔しています。

このブログでは、話題のPythonについて、マーケティングの実務家目線で、どんな風にPythonをマーケティングの「実務」に活かせそうか、まとめてみました。

Pythonで出来ること

Pythonは、マーケティングの実務の現場では、以下のようなことに使えます。

  1. ルーチンタスクの自動化
  2. データ分析
  3. データ可視化
  4. 機械学習の原理把握によるグロースハック

※PythonでWebアプリ開発もできます。

順に詳しく解説していきます。

1. ルーチンタスクの自動化

Pythonの入門書として人気の「退屈なことはPythonにやらせよう」とはまさにこのこと。

毎日決まった箇所から決まったデータを持ってくるなんて作業は、全てPythonで自動化させることができます。

 

1-1. スクレイピング

Pythonで超簡単にできるのが、このスクレイピングです。

スクレイピングとは、ウェブサイトからHTMLなどの情報を抽出すること。

マーケターとしては、このスクレイピングが一番破壊的な生産性向上につなげられます。面倒なルーチンとはおさらばできます。市販のツールはありますが、もうこれが本領です。

この技術をPythonを使えば、

・Google検索トップ10のtitleとdescriptionとURLを抽出したリストを作ったり
・Amazonの人気商品ランキングを毎日抽出する

なんてこともできます。

他にも、

・aタグを抽出して、ページ毎のリンク先を集計してみたり
・発リンクのHTTPステータスを確認してリンク切れチェッカーとして使ってみたり
・ツイッターでフォロワー10000人以上のインフルエンサーリストを作成してみたり
・リスティング広告のT/Dを収集したり
・CRMや広告用の顧客リストを抽出

など、色々出来ます。便利すぎて興奮が冷めやらないです。

スクレピングツールやサービスは世にあると思いますが、カスタマイズして好きに素材を持ってこれる&お金をかけずにできてしまうのが良いところです。

Pythonでは「Beautiful Soup」というライブラリで、「スクレイピング」に特化した機能を持っており、簡単に実行することができます。また、「Selenium」というライブラリでは、検索窓にクエリを入力して検索結果をスクレイピングする、なんてことも自動で行えるようになります。

あとは何と言っても、スクレイピングの知識は、SEOの文脈で強力なスキルセットになると痛感しました。この学習プロセスの中で、Google botの仕組みを原理レベルで理解することができるためです。

つまり、検索エンジンのbotが何をしているかがより鮮明に理解することができるので、より検索エンジンフレンドリーなサイトを作れて、テクニカルSEOに深みを出すことができるのです。

<関連記事>
【初心者向け】真のSEOの学習方法

※スクレイピングしなくてもAPIからデータを引っ張れるものもあります
※「IFTTT」と呼ばれるツールでも、特定の人のツイートは出来ます。

 

1-2. GUI操作の自動化

Pythonでは、簡単にキーボードとマウスを直接操作して、自動化することもできます。

どんな人も毎日に30分くらいかかる事務的な作業があると思います。それを丸っと削減できるので最高です。ヒューマンエラーも回避できますし、あんなことやこんなことの自動化が捗ります。
(今では「RPA」と呼ばれていてもてはやされていますね)

 

GUI操作を自動化することで、フリー画像サイトからの画像収集を自動化してアイキャッチのストックを一気に作ったり、同じ雛形の書類の宛名だけを変える文書作成も、Pythonで自動化することができます。

他にも
・zipファイルを読み込む、ファイルを圧縮する
・.jpgや.pdfなどの特定の拡張子を持つファイルを新しいフォルダにコピーする
・Excelのグラフ作成
・Excelファイルに書かれてある電子メールにメールを送信する
・画像サイズの変更
なんて操作も可能です。(参考:https://tokyo-engineer.com/boring_python_review/

自動化により時間が生まれるようになれば、打ち手の数を増やせることもできます。新しいチャレンジに工数投資することもできます。貴重な経営資源である「時間」をより有効に使うことができるようになれます。

仮説を構築すること、データを解釈することに時間を注ぐべきで、Pythonにやらせればいいですね。

自動化については、業務プロセスを洗い出してうえで、どこを自動化できそうかの判断に迷うケースが多そうです。根源的な命令に分解する能力が、活用者には求められそうな気がしてきます。

2. データ分析

Pythonはデータ分析にも使えて、データサイエンスの分野でも活用できます。

統計的な分析はもちろん、「自然言語処理」や「画像解析」なんてこともできます。

2-1. 自然言語処理

SEOに関わっている人なら、この自然言語処理の技術を使いこなすことで、マーケティング無双ができます。

例えば、

  • Google検索TOP10の共起語を抽出
  • 記事コンテンツ同士の類似度を計算して、カテゴリやタグの分類に活かす
  • 類似度の分析結果から重複コンテンツになりそうな記事同士を特定する
  • 口コミのネガポジ分析から、満足度の高い観光地を抽出して記事作成する

なんてこともできます。

このへんは深い統計学の知識を求められますが、まずは自分が行いたい分析から逆算して、必要なものから学ぶと良いと思います。

2-2. 画像解析

画像認識の超身近な例では「Googleフォト」です。撮影場所別や、被写体別にアルバムで整理してくれていますよね。これと同じようなことをPythonでも出来ます。

マーケティングの文脈では、

  • 画像解析(形状マッチング)で自動で商品データをカテゴリ/タグづけ
  • CTRが高いアイキャッチや広告バナーの特徴量を計算して、傾向分析
  • 画像からテキストの抽出
  • 店舗で常連さんの判定(カメラの撮影データからの顧客識別)

など。

この画像解析は、自動最適化と組み合わせることでヤバいことができ、Netflixでは、ユーザー毎に作品画像をカスタマイズしているそうです(A/Bテストではなく、パーソナライズ)。CTRを恐しく改善出来そうです。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。NetflixのTechブログ、超面白いのでオススメです。
Artwork Personalization at Netflix

Webマーケの領域なら、マッチングサイトの一覧ページの画像の自動最適化がどんどん進んでいきそうですね。

2-3. ネットワーク分析

具体例としては、

  • SNSのインフルエンサーのネットワーク分析
  • 内部リンクネットワークの分析で、リンクジュースの流れを見て、SEOの内部対策のチューニングにも活かす
  • 内部リンクネットワークの分析で、離れ小島を見つける
  • どのタグ同士が一緒に出やすいかの分析

などができます。

個人的にはネットワーク分析の文脈での可視化は、SEO面でかなり夢が広がります…。どんどん使い倒したいです。

ネットワーク分析は、Aidemyのこちらの「HIP HOPでわかるネットワーク分析」のブログが面白かったです。専門用語もわかりやすい例えで学べる良記事でした。


引用元:http://blog.aidemy.net/entry/2018/02/23/135441

3. データ可視化

Pythonを使えば、簡単にヒストグラム、散布図、ネットワーク図などへのビジュアライズもできます。

https://twitter.com/iju_miho/status/959596299795382272

可視化によって、データの特性がより素早く確認することができるようになるのが魅力。また、データの解釈こそ人間の本領なので、どんどん活用していきたいところです。

SNSのフォロー/フォロワー関係を可視化してクラスター判別に活かすなどできます。

4. 機械学習の原理把握によるグロースハック

機械学習、もといAIはWebサービスに携わるデジタルマーケターにとっては必修科目になっていっています。

機械学習は、人と情報のマッチングに欠かせない技術。今ではGoogle広告やFacebook Ads、Criteoなどの運用型広告では当たり前のように利用されており、機械学習はプラットフォームでマーケティングをしたい者の必修科目だと思っています。

また、広告以外にも、民泊サイトのAirbnbではマッチングや価格設定に、デーティングアプリのTinderは「スーパーライカブル」と呼ばれる新技術で好みの人を見つけて紹介してくれたり、音楽ストリーミングのSpotifyは機械学習も活用した楽曲リコメンドにも使われています。

また、レコメンドエンジンにも活用されており、その代表例はAmazonのレコメンドでしょうか。自社プロダクト内のレコメンドにも活用されるケースは多いと思います。

プラットフォームの上に乗っかってマーケティングをする私たちデジタルマーケターは、プラットフォームの思想と機能を知るべきです。

そのプラットフォームの機能の根幹であるこの機械学習の原理を学ぶことで、「媒体に対してどういうデータを学習させればアウトプットを最大化させられるのか」、「どうやれば効率的な機械学習をさせるアプローチができるのか」も分かってくるようになるのです。自社プロダクトのレコメンドアルゴリズムの改良にも活かせると思います。

Pythonは機械学習のライブラリが充実しているため、まずは簡単でも「機械学習とはどんなものか」を学ぶために、試してみると良いと思います。

話は変わりますが、Spotifyハックで話題をさらったクリエイティブユニットAmPm(アムパム)の例のように、GitHubで公開されているソースコードを見たり、外部提供されているAPIを調べてデータ分析するのも良いでしょう。

GitHubで公開されている仕様やソースコードから、媒体のアルゴリズムの思想を探ったりもできますし、どうマーケ施策を打てばいいかの示唆も得られますので。

とはいえ、「何のデータを注視すべきか」「どのKPIをキードライバーとして動かすべきか」のビジネスの判断だったり、マーケティングの全体像を知らないと、機械学習という手段の最適選択も叶いませんので、機械学習は魔法の杖ではないことも記しておきます。ビジネスとテクノロジーの接続も、デジタルマーケターとして重要な役割です。

まとめ:Pythonはマーケターの強力な武器になる

ということで、Pythonで出来ることを改めてまとめると、

  1. ルーチンタスクの自動化
  2. データ分析
  3. データ可視化
  4. 機械学習の原理把握によるグロースハック

になりまして、それらの良さをまとめると

  1. 生産性を革命的に改善することができる
  2. 創造的な仕事に集中することができる
  3. エンジニアリソースが少なくても、なんとか工夫できる
  4. プラットフォーマーの機能と思想がわかるので、ハックしやすくなる
  5. エンジニアとの共有言語を習得できるので、消費者視点をプロダクトに反映させやすくなる

でしょうか。

マーケターにとって、「ツールとしてのPython習得」はめちゃめちゃパワフルです。とくに生産性を革命的に改善出来ることのリターンは大きく、学習コストを払う価値は十分にあると思っています。

Pythonを使っていくにも、環境構築からHTML/CSS/コマンドフロンプトなどの広範な技術が基礎として求められますが、ProgateAidemyで学べる時代になっています。ご参考になれば幸いです。みんなで無双していきましょう。

<Python学習でおすすめの書籍>
冒頭で紹介した「退屈なことはPythonにやらせよう」と、あとは
Pythonによるスクレイピング&機械学習 開発テクニック」を揃えておけばこんなことができるんだ!とイメージがより湧くようになるのでおすすめです。

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