負けたくない人のための競争戦略の思考法

Pocket

競争戦略ってどう考えるのか

「競争戦略の本質」ってなんだろうって思ったので、ちゃんと言語化しておこうと思いました。

釈迦に説法な部分もあるとは思いますが、思考メモとして書いておきます。アカデミックな話は専門書に譲ります。

 

競争戦略の思考法を身につけることでどんな得するの?

このへん

・競争になっても勝てる方法を編み出せる(絶対ではないが)

・競争に挑むべきか逃げるべきか峻別できる

・いい感じに参入ドメインや参入する角度が掴める

・変な勝負を避けられる(変な競争に飛び込んで死ぬこと避けられる)

・長期的に利益稼ぐ仕組みがわかるので、投資家の観点でも投資すべき会社を見抜ける

・SEOだったら良いクエリ選定ができて、いいコンテンツ投資に繋がる

・顧客の奪い合い以外にも、採用での人材獲得の競争にも活かせる

 

3C分析のひとつでもある「競争」の要素。そのくらい競争環境の理解は大事

ちな、3C分析はマッキンゼーの日本支社代表だった頃の大前研一氏が1980年代に提唱。著書『ストラテジック・マインド』(プレジデント社)の中で詳細に書いているそう。

これ面白いす。

マーケの基本のキ「3C分析」ありがちな失敗例

https://toyokeizai.net/articles/-/413165

 

 

Consumerの「顧客」だったら

・市場はあるのか?

・ニーズはあるのか?

・お金払ってまで欲しがってくれるか?

・ニーズとずれてきて売れなくなってないか?

・財政厳しくて家庭の財布の紐が縛られてないか

・コロナで接待飲み会やれなくなるとか変化起きていないか

 

などなど。やろうと思ったら無限にマーケティングリサーチできますね。

→消費者理解はこの記事もご参考に。

マーケティング土台となる「消費者理解」習得の技法

 

Compamyの「自社」の理解が甘かったら、人の入れ替わりや設備劣化でこれまでと同じコストでモノ・サービスをつくれなくなるとか、社内政治激しすぎて即断即決即行動できず商売繁盛につながるアクションとれてないとか組織面の課題も競争には関係する。そういう脅威にさらされるかも。

 

Competitorが競合のこと。ビジネスにおいては、「競合に勝てるのか?」の問いが何よりも重要。

その峻別のために競争環境をよく見にいく。競合調査大事。驚異となりそうな敵の強みは?こちらが攻め込められそうな弱みは?など。競争は相手がいて起こるものなので、ここの要素のリサーチは欠かせないですよね。

 

で、「競争戦略」とか「競争優位性」とか言われるけど、自分は「競争対策」と考えた方が理解しやすかったです。参考に共有します。

 

競争対策の3つの視点

1)競争に勝つには…

→あえて言葉を悪くして言うと、要は戦って打ちのめす。シェア1位を取りたい争いとか。顧客を奪いに行く。リソースが潤沢なら同質化戦略で新興ライバルを潰しに行く。重要な供給源を独占する。

2)競争になっても負けないように…

→ニッチで勝ってればいい。何かを捨ててでも特定領域に投資しまくって事業構築。こうしておけば大負けして死ぬことは防げる。会社運営の継続に必要な利益を稼げていたらとりあえずは死なない。

2)そもそも競争にならないように…

→そもそも戦わない。競合のいない市場で戦わずして勝つ。アライアンスを組むとか、競争に参加させないための参入障壁とか士気下げるとか。真似できないことをするとか。参入されないように派手な宣伝活動とかやらずにひっそり地味に事業やるとか。

 

ちなみに、パンダは独自の供給源を専有してる。笹を食ってる。競争とビジネスエコシステムは似てますね。生命体と生態系、自然界から学べることも超多い。

生命体としての強さで思い浮かぶのがAmazom。買ったら爆速で届く最強設備投資。大量の購買データやユーザーデーをもとにAIから超精度高く出されるレコメンド。取扱商品を増やしてなんでもここで買えるイメージになっちゃうくらいSKU広げまくってエブリシングストアの第一想起獲得など。

サウスウエスト航空のように、生態系での環境適応のたくみさもあります。

 

どこかで聞いた「Where to play, How to win」の言葉はこれらをよく表していると思う。

どの土俵で戦うか、どうやって勝つか。土俵はカテゴリーのこと。

 

商売においての「競争に負ける」ってなに?負けたらどうなんの?

という思考の整理。ちゃんと一回思考回路を回しておくのもとても良い。

競争に負ける→お客さんが減る→売上減る→利益減る ということだ!みたいに、影響度を腹落ちできる。恐怖をちゃんと感じられるくらい理解できてるかっていい基準になりそうです。

 

レッドオーシャンな競争の渦に飛び込んだが勝てなかった

→事業参入の投資額が溶ける

 

商品やマーケティングをパクられて、お客様があっちにちょっと流れちゃう

→許す模倣と絶対許さん模倣の違いはなんだろう?

→ネーミングとかブランドは商標とかで守れる。技術は特許。※公開されるけど

 

とかとか。

 

自然界、戦争の競争と、ビジネスの競争の違い

自然界でライバルがいない状態とは、まわりに襲ってくるやつがいないこと。あとは餌の取り合いがないこと。

仮にじぶんが島に唯一の牛で、周りに草食動物がいなかったら草を食い放題ですよね。

 

また、マーケティングは戦争のアナロジーが多いものです。ターゲットとか、広告投下とか。

ここでポイントなのは、戦争の競争は、生きるか死ぬか、どっちが勝つか。終戦時にどこまで有利な条件を引き出せるか。ということ。

 

一方で、ビジネスは競争環境にあるか、生き残ればいいのです。つまり、利益を確保できればいい。

競合に顧客を奪われたり、価格競争に持ち込まれて、利益を出せなくなったら辛いだけ。

それゆえ、他で利益を出せるようなバックエンド商材を作ったり、利益体質を見直したり、競争を持ちかけられないセグメントの独占を仕掛けるように頑張る。

 

競争で優位とは

「競争優位性」とか聞くけど、要は何?具体例は?参入障壁は?ちがいは?

いきなり競争優位から考えないこともできる。そもそも競争しないことを考えたりもできるから。

 

追従されないために、

・されて嫌なことをする コンサル「ウォーゲーミング」

・できないことをする

とか。

 

Moatと呼ばれる、こういうノウハウもあるみたいです。

出典:https://note.com/kenichiro_hara/n/n6fcd82c06252

 

例)長期的に競争優位を保つ”塀”となるMoat

①ブランド

②ネットワーク効果

③囲い込み

④第一想起

⑤規模の経済

⑥コスト優位

⑦排他的な許認可等

⑧ユーザーへのアクセス

⑨卓越したオペ

⑩テクノロジー優位

 

 

いい競争をするために、どの技をもりもりにするかの選ぶ視点が競争戦略。資源配分。 追随できない参入障壁、模倣へのバリア、土俵に入ろうとするやつへの対策などなど。

このMoatの10つのポイントを見つめてみると、色々対策とか浮かんできますね。また、競合をこの観点でみることで隙を炙り出すことにも役立ちます。

 

フレームワーク

ポーター先生が有名です。代表的な著書『競争の戦略』

3つの競争戦略

  1. コスト・リーダーシップ戦略 競合競争時代には避けて通れないコスト低減策
  2. 差別化戦略 機能、品質、納期、物流、サービスなどで強みの差別化を図る
  3. 集中戦略 経営資源の選択と集中で市場と製品をセグメントし、市場の占有率を高める

 

ファイブフォース分析

解説はググってください。

 

コトラーの競争地位戦略

解説はググってください。

 

VRIO分析

自社の競合優位性を知る機会に活用。「経済的な価値」「希少性」「模倣可能性」「組織」の4項目から、自社の経営資源を評価

https://twitter.com/ActivecsOkimoto/status/1572082465313009665?t=8KEJHTMScHGZO9sh4YMfaQ&s=19

 

ランチェスター戦略

解説はググってください。

 

他にもいろいろあります!!先人の知恵すごいですね。ありがとうございます。

 

 

 

ブランド競争戦略

ブランド競争は、選ばれる確率を高めるにあたっての、相対的な優位のとり方。ブランディングは、選ばれる確率を高めるにあたってのあれならアレっていう認識のつくりかた。認識に関するポジショニングです。

 

ブランド構築の目的は、お客様に選んでもらえる確率を高めるため。他じゃなくてうちになる構造を作る。

 

競合が選ばれてしまい売上を奪われると、利益も削り取られる。品質とか価格競争になっても、利益を削り取られる。シェア削られると規模の経済の恩恵を受けにくくなり、コスト構造的に利益を削り取られる。選ばれなくなると、利益が失われていくのです。

こう考えると、独占状態ってほんと強いですよね。「消費者」と「うちの商品」のマンツーの環境が最高だとよくわかります。

独占がむずいなら、相対優位をつくりあげること。

価値基準を変えたり。音部さんの言う「属性順位転換」が有名ですよね。

ブランドより「なぜ必要なのか」を訴求せよ–アリエールのヒット仕掛け人が語る“属性順位転換”

https://logmi.jp/business/articles/196745

 

頭を使いまくるポイントは、選ばれない理由になることを避けるため。お客様に選ばれる競争で負けないようにすることです。

 

 

結論

いい競争戦略を立てようとするならば、めっちゃいろんなことを調査したり分析することは欠かせない。ファイブフォース分析やVRIO分析のフレームにただ単に情報を当て込んでも、そこから有益な示唆を導き出すのは難しいだろう。

こういう抽象的な学びは割と早く「理解」することはできるけど、「じゃあ自分の事業の場合はどうなんだろう。具体的にどういうアクションを取っておいたら良いのだろう」という解は、固有名詞と自分が置かれてる環境とかを深く深く3C分析をしないと出てこない。

 

具体的なライバルは誰?

そのライバルの強みや弱みは?

脅威となる強みはある?

攻め込めそうな弱みは?

などなど。

 

 

そういう泥臭い作業が、戦略構築には不可欠だと思います。大量のインプットからなる冷徹な現状把握、そしてあらゆる可能性を見つめつつ、いい感じにあるべき姿を設計する知的エキサイティングな取り組み、それが戦略策定だと思います。

Pocket

投稿を作成しました 7

関連する投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る