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こんにちは、マーケターのムロヤ(@rmuroya)です。

世界中からアイデアを拾ってくる「リアプライ」は、日々、企画に頭を使うマーケターとしての重要な考え方です。

しかし、実際には自分の頭のなかにある知識・経験だけでアイデアを考えようとしたり、他からアイデアを持ってくるという行為に抵抗感を持つ人が少なからずいます。ヒントは世界中に転がっているにも関わらず、です。

このようなマーケターとして重要な行動を促進させるために、ワーディングの手法をよく使います。ある概念をキャッチーなネーミングでパッケージにして、それを流行らせるようなものです。

私は「リアプライ」のことを「TTP(「徹底的にパクる」の略)」と呼んでいます。

ポップな言葉にしてしまうことで他からアイデアをもってくることの抵抗感を無くして、むしろ実行の推進力に変えてしまおう、というものです。

ポップなワーディングで心を軽くしてあげて、「物真似はダメ」という固定観念がつくりあげたハードルを、ふわっと飛び越えられるようになります。

楽天の三木谷社長の著書の中にも「世界のベストプラクティスを勉強せよ」という言葉があります。

世界一になるような企業には、それぞれにきわめてユニークな特徴がある。
典型例は成功例ではない。ユニークさのエッセンスを抽出して、他の分野にも応用可能な普遍原理を発見すること。アインシュタインになったつもりで、世界のベストプラクティスに学び、成功の基本原理を極めよう。

さらに、『サービス・リーダーシップとは何か』という著書の中にも、

『「模倣による学習」こそ、
コストも時間も最小限に抑えられる、
もっとも賢明な方法でしょう』

という言葉があり、模倣すること、すなわちTTPを推奨していました。

TTPの3つのメリット

リアプライは、アイデアをゼロから考えるより、圧倒的に効率が良いです。

歴史に学び、
巨人の肩に乗り、
先人の知恵を借りましょう。

少し脱線しますが、リアプライの真髄を知りたい方は、ぜひ「ロケットインターネット社」の取り組みをご覧ください。凄まじさを知れると思います。
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「TTP」と言えど、もちろん真似るのは表面ではなく本質。分析して抽出したエッセンスです。具体的な物事から抽象化して、それを転用する思考法です。

私が尊敬するマーケターである森岡さんの著書に書かれているリアプライの3つのメリットは以下です。

①どこかで成功しているアイデアを土台にした方がプロジェクトに圧倒的なスピードをもたらす

②どこかの消費者で試されている分だけ成功の確率も高い

③(これが最も重要)アイデアを自分で生み出すための引き出し(ストック)がものすごく増える

自分で考えた全く新しいアイデアのように見えても、全てのアイデアはよく分析してみると、過去に自分が触れてきた人様のアイデアの「断片」の組み合わせでしかない場合が多いからです。 

というように、非常にパワフルな施策立案方法だと思います。

そして、TTPをさらにドライブさせるには、

・抽象化思考
・アナロジー思考

の2つがポイントだと思っています。

具体的すぎるものは、そのまんま持ってこれないため、「抽象化思考」により、転用可能な単位にまでエッセンスを抽出し、
「アナロジー思考」によって、他のエッセンスを自身の業務に落とし込んで発想できるようになるからです。

TTPができない人の思考法

TTPが全然できていない人は、こんなメンタルモデルかもしれません。

「アイデアは自分の頭で考えるものだ」と固定観念をもっている
「成果につながるアイデアは自分の頭で考えられる」と過大評価している
「自分の頭で考えた施策で成果を出したい」と歪んだ承認欲求がある
「あの人の施策なんか参考にしたくない」と無駄なプライドをもっている
「真似は全部悪いこと」と勘違いしている

当てはまると思ってドキッとしたら、本質思考に立ち返りましょう。

TTPを社内に普及させるには

このワーディングも、森岡さんの言葉を借りると「従業員が一定の好ましい行動をとる確率を高める」ための方法であるとも考えています。

『私は企業文化という言葉が大嫌いです。それは、企業文化という言葉を使うと、何をしたらいいかわからなくなるからです。企業文化を改善しようと言われても、明日何をすればいいかわかりません。
ですから、私は、企業文化という言葉を使わずに、「従業員が一定の好ましい行動をとる確率を高めるのにはどうしたらいいか」と考えるわけです。』
 出展:https://newspicks.com/news/2719643/

キャッチーなネーミングがあることで、覚えやすくなりますし、口に発しやすくなり、習慣化しやすくなるからです。

なお、ワーディングに限らず、浸透させたいフレームワークや組織文化が流行らない場合には、どこかにズレがあるはずです。「受け手が理解できなかった(リテラシー最適化問題)」「言葉の定義の齟齬が発生していた(コミュニケーション不足)」など。

マネジメントは「コトバの流通業者」みたいなものなので、問題発見しながら浸透のフォローを進めていきたいものです。

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